ショパンコンクール 予備予選 7月21日午後

ピアノを弾いているアラフィフのアマチュアです。5年に一度のショパンコンクールポーランドで開催されています。予備予選に出場されている方の演奏について、感想を書いています。同じような曲を、同じピアノ、同じ場、同じ録音で、これだけたくさん聞ける機会は滅多にありません。演奏者による違いだけが、大きくクローズアップされ、大変に勉強になります。


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感じたことを言葉にすると、自分の演奏について言葉で感想を言っていただいた時にイメージしやすくなります。また、自分の演奏を意識的に変えようとしたり分析する助けにもなると感じます。

トンチンカンや失礼なコメントがないよう気をつけていますが、アマチュアの感想ですのでご容赦ください。

 

今井理子

ノクターン27−2は美しく、革命エチュードは疾走し、曲の特徴を捉えている。驚くべきは、全くミスがないこと。あえていうなら、もう少し音色の幅があってもいいかも。まだまだお若いのに、この落ち着き方もすごい。これからどんどん伸びていかれるのだろう。パス。

 

Sze Yuen Wong(香港)

英国王立音楽院。とろけるようなノクターン。音が美しい上、ルバートのかけ方、アゴーギク(テンポの揺らし方)がものすごくうまい。オクターブのエチュード25−10もすばらしい。木枯らしのエチュードが少し不安定な印象(右の軽いミスタッチが多い。左は付点が甘く少し一本調子かな。でもとて音楽的なピアニストだと思う)。マズルカはタメが少なめで丁寧な弾き方がワルツ的か。バラ4は、ささやくような音で始まり、私は好き。ただもう少し盛り上がりも必要かも。自分もこう弾きがちなので、参考になる。テンポが遅いのか停滞する。ペダルをもう少しうまく使って響かせては? 

 

Victoria Wong(カナダ)

ジュリアード。25−5が個性的。10−8は軽く弾む、立体的で素晴らしい演奏。マズルカと幻想曲は、繊細だけど付点のリズムとか、ルバート、アゴーギクなどを工夫すると良いのではないか。

 

Maciej Wota(ポーランド

ショパン大学。幻想曲からの開始。この曲は長いので最後まで聞かせるのは大変だが、音楽的な演奏。ミスや濁りなど少し不安定か。ちょっと乱れたけどパンチのきいたエチュード。さすがの聴かせるマズルカ、リズム感、繊細さ、力強さいずれも備えてる。

 

Maiqi Wu(中国)

 17歳とは信じられない大人の演奏。ノクターンに音楽性が際立つ。マズルカは歌いすぎか止まり気味。エチュードも素晴らしいが、10ー8は左のリズムが乱れがち。バラード4番は静かに歌う。場面によって左手をもっと出してもいいか。自分に似てる面があり応援したくなる。

 

Yuchong Wu(中国)

王立音楽院、ジュリアード。模範的な演奏で、崩れ気味の箇所はあったが安定感がある。強烈さはないが、リズムも音もバランスも良く、欠けているところが思いつかない。バラード4番も上手い。パス