ショパンコンクール2021 予備予選 7月14日 3日目午後

再開5年目のアマチュアです。5年に一度のショパンピアノコンクール予備予選


www.youtube.comを全部見て、思ったことを書き留めています。予選をパスされた方が素晴らしいのはもちろんなので、パスされなかった方を中心に応援するつもりで書きたいです。

 

久末航

ベルリン芸術大学マズルカop.50、ノクターン9-3いずれも、美しい音、自然な流れと歌心で、とても好きな演奏。ただ、3曲が比較的な似たような曲想の曲が続いてしまった印象。エチュード10-10は前半わずかに音が重いか。エチュードでも持ち前の歌心(フレージング)が完全に発揮されていればと思う。舟歌も素晴らしいが、もう少し揺らしたり、後半、狂ったようなところがあってもいいかなあ。静かな演奏で派手ではないが、とてもとても音楽性の高いピアニストだと思う。チャット上でもとても評判良かった。コンサートに行ってみたい。

 

Yifan Hou(中国)

ダイナミックで若々しく、抜群のテクニック。マズルカはベタつき粗いが、エチュードは爽快。バラ1はかなり叩きつけており、私には重苦しく感じられる。自信もってスケール大きく演奏できる才能。パス

 

Wei-Ting Hsieh(台湾)

音が割れてしまう。幻想曲は個性的でフレージングについていきにくかったが、ノクターンは良い。マズルカop59も少しくどいが、うまい。エチュードは大変見事な演奏。パス。

 

Yun-Chih Hsu(台湾)

ジュリアード。美しく推進力のある舟歌ノクターンマズルカも、音色が多彩でとても自然な表現力がある。また聞き直したいと思う演奏。エチュードは難曲の10−1、 25-10を選択。自信があったのだと思うが、ミスや崩れた箇所がいくつかあったのが残念。いずれも大変音楽的な演奏。

 

五十嵐薫

桐朋。ペダルがうまい。エチュードもすべて、全くミスがなく抜群の安定感。ノクターンマズルカは手堅い。バラ1も鮮やかなテクニックを披露。パス。

 

井川華

フライブルグ大学。ノクターンは美しく、難曲エチュード10-1もノーミスで見事!あえて言えば、25-5が少し固く中間部はあっさり気味かもしれない。マズルカはちょっと重くワルツっぽい。鍵盤を押さずに上方向に打鍵して音を硬質にする、付点を鋭くしたり短い音符を軽くするなどメリハリつけるといいと思う。幻想曲も停滞感が出ないよう、肘の位置を自由し、後半の高揚感、キラキラ音も出すといいのではないかと思った。素晴らしい技術をお持ちなのに、これ見よがしにひけらかさないところが好感が持てた。

 

Grigoris Ioannou(ギリシャ

英国王立音楽院。木枯らしの左手、すべての音を叩き気味で、硬くはないけど重い音(メインの音を決めて、その他、軽い音をたくさん作ればいいのでは)。ノクターン13番の後半は、大きな手で楽楽と迫力ある演奏。マズルカも音が強め。幻想曲も左手がドシンと。全体にエネルギッシュで、べートーベンとかラフマニノフを素晴らしく熱演されるだろう。目立つミスもないので、ペダルを工夫し、音が洗練されればよりショパンらしくなりそう。