ショパン・コンクール予備予選 7月20日午前

今日も、素晴らしい演奏の数々をきくことができた。アマチュアの感想なので、トンチンカンでしたらごめんなさい。

 

アルベルト・フェッロ(イタリア)

プロという感じで、とても安心して聞いていられる。ノクターンなど他声部の弾き分けが見事。少し慣れすぎていて熱が感じにくい面も。

 

Georgijs Osokins (ラトビア

ババヤンのお弟子さんで、ギドン・クレーメルと合わせたことがあるという。いずれも、私好みの音楽家!体の位置は低めで、重心が後ろにある姿勢が新鮮。手を上に上げることがない。比較的ドライな、透明な、でもとろけるような音色で、ホロビッツグレン・グールドを思いおこさせる。黒鍵のエチュードすらオリジナルで、芸術家的な鋭敏さ、才能を感じる。弾き直した箇所や崩れた箇所がいろいろあったように思うが、そんなことは何の問題にもならないだろう。拍手が鳴り止まない。音楽をするために生まれてきたような人が世の中にはいるっていうこと。

 

Szu-Yu Su(台湾)

Osokinsと比較するせいか、重く感じてしまうが、この弾き方の方が一般的だろう。上からリッチに響かせる音。ヤマハということもあるかもしれない。学生さん的、一生懸命さが出ていて微笑ましい。もちろん私の1億倍、お上手である。

 

角野隼斗(Cateen)

ドラマチックな曲が多めのプログラム。まるでリストのように、欠ける所がない方なので、ショパンはどうかな、と思っていたが、大変なプレッシャーを背負っているのだろう、ショパンの苦しみも表現されているように思った。個人的にはペダルがもう少し繊細な方が好みだが、推進力がすごい。こういう弾き方、日本人に多いけど、何でも簡単にできてしまう方なんだろうなと思う。

 

Aleksandra Swigut(ポーランド

音へのこだわり。ヤマハだが豊かで柔らかく、力強さもあり、音色の変化のある演奏。気持ちが入っていて、つい聞いてしまう。舟歌のコーダが切迫感があってとても良い。マズルカも素晴らしい。心から弾いている。最後は情熱的な革命。全体的にたくさんミスはあるけど、関係ないだろう。圧倒的。拍手が止まらず、挨拶にもう一度出てきた!!

 

マルセル・タドコロ(フランス)

バラード1番から始まるが、なにかに追われているようで、とっても粗い。もうちょっと、ゆっくり、味わって弾いた方がいいんだけど、そりゃ、緊張するよね、がんばれ。と思っていたら、マズルカに入ったとたん、どんどん良くなっていく。マズルカから弾けばよかったのに。ノクターンハ短調も、出だしを軽く弾く人が多いが、重苦しさが表現されており、名演だ。エチュードもいい音楽で、才能ある方だけど、ミスと濁りが多すぎたのが残念、、。

 

竹田りこの

パレチニのお弟子さん。とても繊細なノクターン。木枯らしエチュードもフレーズ感がある。アルペジオエチュードはこのコンクールで初めて聞いたが、ゆっくりめでとても優美。マズルカも歌がいっぱいで素晴らしいリズム感。バラ2も情感たっぷり。素晴らし表現力に、拍手鳴り止まず。