久々にプロのリサイタルを聞きにいった

ピアノ再開5年目のアラフィフです。久々にプロのリサイタルを聞きにいきました。今練習している曲がメインだったからです。

きっかけは、ユチューブの録画や録音が素晴らしかったこと。叩きつけるのではなく、音色の変化が素晴らしく、歌があった。それで、ものすごく期待していきました。

でも、実は、期待ほどではなかった。ほとんど、弱音ペダルを踏んでいて、私の席(前から2列めの左端)のせいもあるけど、音が小さく弱々しい感じ。

とても姿勢が丸まっているので、大きな音がほしい時に、自分がピアノに近づいて大きな音を聞いてしまっているのではないか、と思いました。私もやりがちなのです。ピアノから体を離して音を聞くことは重要だ。

アルゲリッチユジャ・ワンのように、背中まっすぐで、パンと指が鍵盤に入る感じだと、少しモノトーンな気はするけど、パンチがある。

弱音がすごく抜けていました。これも、私の悩みと一緒です。この方、私に似ています。ああ、私も、こういう感じなんだろうな、とすごく納得しました。

弱音が抜けるのはどうしてなんだろう、と、考えた。おそらく、打鍵の深さを調節しようとしているのだ。そのために、打鍵して、指を上げて、とやっているのではないか。でも、微妙すぎてうまくいかないのだ。木琴をうつ時に、木琴の上でバチを止めて上にあげようとすると、すごく難しい。腕に力が入りまくるし、たたけなくなってしまうかもしれない。

むしろ、木琴を叩いてしまって、バチの動きに任せてしまえば、かならず、音は出る訳だ。

指を木琴のバチだと思えば、音が掠れることはなくなるのではないか。鍵盤の底がどこにあるかわからないけど、底に当たったら指が跳ね返ってくる、みたいな感覚。

「柔らかい音は良いけど、強い音もほしい」って私が言われていることじゃない!結局、姿勢をいろいろ変えてみるといいということ。腕を使った柔らかい音も、背中から使ったパーンとかっこいい音も両方だせれば、聞いている人も退屈しない。この方、ずっと肩があがりっぱなしだった。

やっぱり、「音は人によって異なる」。でも、本当は、「同じ人でも、曲によって音が全然違う」とならないといけない。

この方は、弱音だけでなく、速いパッセージも音が雑になって、つまり、弾けていなかった。テンポが速すぎたのだと思う。すごく音楽的に弾こうとしていたのに。。。。やはり、年齢というのは厳しいものだ。年齢に合わせて、テクニックを変えないといけないし、それが無理なら、弾く曲を変えないといけないのだ。

しかし、以前、音がもっともっと抜けまくっている演奏を聞いたことがある。その人はすごく堂々としていたので、ハラハラしなかった。今回の方は、少し、慌ててることが伝わってしまった。むしろ、そっちの方が問題なのかもしれない。音が抜けて当然、みたいな姿勢で弾けば、それはそれで、あっぱれな感じになるのかもしれない。

とにかく、長い曲は、変化をつけないといけないな。でも、これは会場だからこそ、で、録音であれば、とくに、ある程度ピアノに近い位置での録音であれば、音の変化をよく拾うことができ、素晴らしい演奏として聞こえるのだと思う。

本当に、私と似ている方で、本当に参考になった。

それから、衣装というのも大事だ。衣装と弾き方は、やはり、似るところがある。