平均律 21番 変ロ長調 フーガ ①体の動きと一緒に覚える

再開4年のアマチュアピアノ弾きです。関節炎や腱鞘炎などなどと共存しながら、試行錯誤でピアノを続けています。

平均律の2曲め。ヘンレ版を使い、最初からシフの運指で弾いているので、前回よりも早くスラスラにはなりました。まあ1ヶ月くらいでしょうか。いつものように通して弾くのではなく、今日はここ1フレーズ、などと小分けにして練習し、しっかり覚えるようにしたら、いつもより、早めに覚えられt気がします。

反省点としては、どうせなら、暗譜まで一緒にやれば良かった。スラスラになると暗譜のための努力をするのが面倒になってしまうのです。

もうひとつは、ある程度弾けるようになると、どんどん下手なるのをどうするか、という大きな問題。

下手になるのはどうしてか。

一つは、弾きにくいところでゆっくりになるので、その前に急ぐ癖がつくこと。

もう一つは、だんだん速く弾くようになるのに対して、体や腕の動きが追いつかず、とりあえず指は届いているけど、きちんと音が出ていない、という状態になること。特に左手が、あるべき位置まで動いていないことが多い。

問題点のあぶり出しだと思って、録画して、問題箇所をチェックしていきます。テクニック的に問題があるのが、手のポジションが変わる所、それから、親指か小指を連打しながら反対側の指を動かすところの連打がしっかりできていないこと。

そうしたテクニック上の問題点を練習しつつ、巨匠の演奏をもう一度聞いてみる。

まずは、ロシアのフェインベルクの演奏。1:26:35から。神のような演奏。構成力。小さいことはどうでもよくなる。命がほとばしる感じ。やっぱり、こう弾かなくっちゃ。これを聞いてから自分でも弾いてみると、演奏は全く違ってくる。

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次はリヒテル。まだこちらの方が真似しやすい。3拍目をしっかり出す。ミスするかどうかなんて、どうでも良くなった。ああ良かった。

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 翌日、また録画してみる。手の動きの無駄に気づく。なんか変に腕を振り回したり。ゴツゴツした動きでもある。左手が開きっぱなしになっているところもある。考えてみればそのはず。一つひとつの音は覚えたけれども、次は何の音という意識がないから、手や腕の動きとしての記憶が全くなされていないのだ。その場その場で、楽譜を睨んで、次の音はドだから、みたいにやっている。ゆっくり弾いている分には間に合うのだが、そうはいっても、ギリギリで突っ込むことになってしまう。前もって次の音を意識して、スムーズに動くこと。つまりは、手や腕がパントマイムのように動くこと。決して、ギッコンバッタンとなってはいけない。特に、手首の左右の動きが皆無なのが問題。上下にはガタガタ動いているので音もガタガタしてしまっている。

もしかすると、譜読みする時から、手や腕の動きをどのようにすればいいのか意識した方がいいのかもしれない。鍵盤のどの場所を打鍵するかも意識して、どのような動きが良いのかを確認しながら練習する。本当に細かいフレーズに分けて、鍵盤の場所だけでなく、指の動きだけでなく、体の動きごと覚えるのがいいかもしれない。

私は体の動きで覚えるのが苦手な方だ。運転免許を取るのに時間がかかった。ボールも下手である。上半身の体の動きに関しては、よほど努力しなければならない。頭での譜読みが速いからといって、いつまでもそれに頼っていると、いつまでも、初見で弾いている雰囲気になってしまう。子供の頃はそれでも、弾きやすい体の動きを、自然に取れるようになったのかもしれないが、体がガチガチに硬くなった今は、意識しないと、とても動きは覚えられない。

最近、首の下を長く伸ばして響く音を出すコツが少しわかってきた気がするから、あと少し、今書いたことにも頑張って取り組んでみよう。

最後のシフの演奏。変ロ長調って、優しい雰囲気だと思っていたけれども、結構、世俗的で、にぎやかな感じもする調なのかな。黒鍵は2つだけだし。自分で弾く時も、結構、うねりというか勢いもつけて、三拍子だし少し踊り的な感じで弾いてみる。より正確にいうなら、1.2.3という拍子感ではなく、小さいフレーズごとのまとまり(16分音符のフレーズ)を意識して、あっちこっちでいろんなフレーズが鳴っている感じに、膨らみやうねりをもたせて弾いてみる。


JS. Bach, Prelude and Fugue No. 21 in B flat Major BWV 866 (WTC I). András Schiff

21 in B flat Major BWV 866 (WTC I). András Schiff