アラフィフのアマチュアピアノ弾きです。2回ほど「一人ホール練習」を行い、観客ゼロで演奏会をしてみました。当然、録画もする訳ですが、録画すると、どうしても、ミスをゼロにしたくなります。音楽においては、ミスよりも大事なものがあるけれども、でも、やっぱりミスは減らしたい。ということで、現段階で思いつく、ミスを減らすための対策を書きます。
- 良い録音をしよう、とか、人様に聞いていただけるいい演奏をしよう、などと高い目標を掲げるとと固くなるので、自分の老後の楽しみのための録音ということにする。ピアノが弾けなくなった時、一番聞きたいのは、自分の録音のはずである。自分で聞くのに、ミスするかは関係ないので、自分が弾きたいように弾く。
- ミスする場所は決まっているので、そこだけ集中的に練習する。そのためには、毎回の録音で、ミスをした場所をきちんと記録する。Piascoreに、アナリーゼファイルやミスファイルを作って保存する。学校の勉強だって、間違えた問題にチェックをして、間違えた問題だけを繰り返すのが効率的。一度解いた算数の問題を、毎日解いたりしないのと同じ。
- アルトなどの目立たない声部をよく聞いていないと走ってしまい、脳があわてることが、ミスや暗譜飛びの原因のように思われるので、中声部やバスラインだけの記憶を確実に。指で弾くと速くなりがちなので、音をひとつずつ思い出しながらゆっくり弾く。そのようにして弾くと、転調の箇所などは、言われなくても、ゆっくりと、強調して弾くことになる。
- 実は、違う鍵盤を打鍵してしまうようなミスは非常に少ない。あるのは、音が抜けてしまうことである。原因の一つとして考えられるのは、指が弱っていて打鍵が浅くなっていること。最近3ヶ月ほど、ハノンやエチュードをやっていなかった!弊害は如実に現れた。指を大きく動かして負荷をかける練習は、やっぱり本番直前まで非常に大事である。日頃から、普通の曲も、打鍵を深めに練習しておいた方が良いようだ。私の場合、浅くするのはいつでもできる。打鍵が浅いと、速く弾くことができる。これは長所でもあるけれど、ゆっくりと深い打鍵もできるように。
- 肩があがっているのも、音が抜ける原因のようだ。背中の筋肉の上下運動や、腕を鎖骨からねじる運動をやってきたが、特に、なるべく前に大きくねじりながら、首の筋肉や肩の付け根周りを伸ばすことを意識したら、更に楽になってきた。肩が自然に下がれば、腕の重さが鍵盤にのって、音が外れにくくなる。首や肩が硬いと腕が前に伸びないので鍵盤に重さが乗らない。ちなみに、指を大きく動かすことや、和音を弾く時に手を広げるのではなく縮めることを意識することで、手首の痛みも8割改善したと思う。
- 多くの曲を練習する。1曲の練習時間が5分だと思えば、大事なところ、ミスしやすい部分しか練習しない。暗譜するにも日にちを分けた方が楽である。今は、なんと、過去2回の一人コンサートで弾いた曲に加えて、平均律 1番プレリュード、3番、21番、パルティータ2番のカプリッチョ、モーツァルトソナタ 18番ニ長調、ショパンエチュード何曲か、ワルツ2曲、マズルカ数曲、舟歌を練習している。もう、練習というより、覚えていないところを端から暗譜しようとアナリーゼしまくっている感じ。飽きずに練習できると、仕上がりが良いのではないか。
- ミスなく弾けたという成功経験を積むため、少し易しめの曲を中心にする。
- ミスが減ってくると、ミスをした時のショックが大きくなり、イライラし始める。2〜3回のミスをゼロにするのはとても大変である。毎日、ミスゼロを目指して頑張ると、更にイライラしてしまう。そこまできたら、ミスのことは一旦忘れて(でも、ミスの箇所の記録は続けて)、録画とか、暗譜とか、鑑賞とか、表現の研究など別のことをした方が良さそうである。全体的な力があがってくるとミスも自然と減るはず。これも、勉強と同じである。
ピアノの練習は、効率的な勉強方法と共通する部分が多いかもしれません。