故障だらけのアラフィフ バッハ平均律 第3番 嬰ハ長調 プレリュード ①

故障だらけのアラフィフです。ピアノを約30年ぶりに再開してもうすぐ4年。手首の痛みが治らず、ショパンエチュードは少し棚あげして、バッハの平均律に再挑戦しています。

まずは、ロシアのフェインベルクの演奏から。7分30秒から。こういう演奏を聴くと、弾けないのは、指が回らないせいではないことを痛感させられる。

 


J.S. Bach, The Well Tempered Clavier, Book 1 / Samouil Feinberg


Bach Nr 3 BWV 848 Cis-Dur I Das Wohltemperierte Klavier András Schiff

 

 

第3番は、シャープが7つ。でも、すべての鍵盤が一つ隣にずれると考えればそう難しくもない。黒鍵が多いので、雰囲気が柔らかく、美しい調です。Fis-durより音が低めになるせいか、少し地味目な気がします。キラキラした天というより、夢幻の世界に少し近い感じ。

だから、この曲は、速く弾くことが一般的だけども、決して、速さを感じさせてはいけないなと思います。

第1番のプレリュードと同じく、基本は分散和音、基本は和声進行なので、一つ一つの音が大事というより、和音として美しいことが大事なのだと思います。

もう一つは、8分の3拍子であるということ。1拍目にアクセントがあるけれども、決して重くならないように、流れるように。

とりあえず、何日か練習して、録音してみた。気付いたことは、

  1. 出だし、トレモロが、とてもバタバタ聞こえる。うるさい曲みたい!手を見ると、ひどく大きく動いている。ここのところは、トレモロだから、鍵盤に指を置いて、指の根元だけをほんの少しだけ動かす感じにした。肘だ手首だを派手に動かす必要なし。こうすると、故障だらけの私でも綺麗に弾ける。ショパンの「黒鍵のエチュード」と似たところがあるかな。
  2. 指を速く動かしているため、パサパサしていて、響きを作るためのペダルが必要になってしまっている。指をゆっくりめに動かすと、ペダルに頼らなくてもよくなってくる。慣れてきたら、きちんとフレーズになるように、メロディーとして聞こえるように、膨らませて。
  3. 転調するところ、トレモロでないところが、慌てて聞こえる。一定のテンポとは言っても、転調のキーとなる音はゆっくり目に強調。場合によっては、属音(第5音)もそうかな。それから、そうだ!ここはヘミオラになっている。右手は2拍子、左手が3拍子であることを強調する(拍頭を少しアクセント)と弾きやすくなった。ヘミオラになった3拍目をはしょらない。右手から左手、左手から右手への受け渡しを感じることでも弾きやすくなった。
  4. 同じようなフレーズが繰り返される曲なのに、変化がなく単調。なので、調の性質に合わせて、少し色を変えることに。シフなどは、強弱だけでなくペダルもかなり変えている。例えば、出だし、1回目は Cis-durだから柔らかく、2回目はGis-durだからより明るく少し華やかに、3回目dis-mollだから寂しげに、4回目はas-mollだから少し訴えかけるように。全体としては後半はどんどん太く雄大にしていく。
  5. 後半は、左手で、和音であることを強調(少し音を長めに)。
  6. 最後の分散和音も、1小節ごとに、色を変えて(もちろん、和声を分析して!)。
  7. 特に左手で、3拍目が遅れたり、3拍目から次の1拍目の繋がりが慌てて聞こえるところがある。シフに運指になっているかを確認し、3拍目を丁寧に弾くと改善。8分の3拍子とはいえ、頭の中で、3拍子を数えてみる。私は、やはりリズムと拍が肝である。

自分で録音すると、やっぱり、アナリーゼとかメトロノームとか、少し面倒なことの必要性を感じられるところがいい。

 

ヘンレの電子楽譜には、録音機能がついている。iPadShureのマイクをつけると、簡単にそこそこの録音ができる。楽譜のページに保存できるから、便利なことこの上ない。前回の録音からすぐ比較して聞けるのは、超便利!うまくいったら、Airdropでパソコンに移動して保存しよう。

 

この曲は、余り難しくないせいか、1ヶ月くらいで、自然と暗譜したが、指使いはかなり自己流である。