ブラームス 間奏曲 Op.119-2 ② アラフィフのピアノ 

故障の多いアマチュアのピアノ弾きです。再開してもうすぐ4年。いつもなら、数日、練習しただけでレッスンに持って行ってしまいそうな曲を、録音しながら、じっくり取り組んでいます。

 

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 あっという間に、2ヶ月近く経っていたのですね。何日かに一度、飽きない程度に少しずつ弾いていました。いつの間にか、ほぼ暗譜しており、暗譜すると圧倒的に弾きやすくなりました。音楽って、右脳だそうです。楽譜を見ながらでは、左脳を酷使するので、歌えないのだと思います。楽譜は一応置いておく、程度にまで覚えていることが、やはり必須なのだと実感します。

弾きにくかったところや、自分で気付いたところを、あげておきます。

  1. 暫く弾き進めていると、何となく、最初の2頁の全体のつながりが、どうもうまく把握できていない気がしてきました。アナリーゼしようとしても、よくわからない。PTNAの楽曲解説を見て気付いたのは、この曲は、同じモチーフというかフレーズが、実に巧妙に変奏されて、繰り返されているということ。それに気づくだけで、フレーズのまとまり、切り方がわかるから弾きやすくなる。
  2. もう一つは、弾いてて、自分は今、何拍子目を弾いているのかわからないことに気づいた!楽譜を見ると、3拍子なのだが、2拍子やら変拍子ぽくなるところが多い。全体としては、2拍目に少し重きを置きつつ、ここの部分は2拍子的、などと感じながら弾くと、のんべんだらりとせず、弾きやすくなった。常に、自分が今何拍目を弾いているのかわかっていること。そのためには、適切なテンポで弾けるようになること。
  3. 右手最初のシシドーをどう弾くか。スラーがなかったらどうなのか、などと比較しながら考えた。鋭い音から入り、2つ目のシをより大きく、ドーは長いけど柔らかめにペダルで伸ばす。手首は上から下げてまた上げる。重さとしては、ドーにかかっているのだけど、決して、がちゃんと弾きたくない感じ。ドーの音は、ペダルで伸ばすから、ちょうどいい長さになるように。しっかり切った方がアジタートっぽくなるけど、大きく盛り上げたい時はペダルをつなぎ気味に。フレーズの終わりは、しっかりとペダルを切る。フレーズとか呼吸はペダルで作っている感じ。弾き始める前に、ペダルを遊びギリギリまで踏んでおく。
  4. 右手のアルト、それから左手についても、取り出して練習すると、きちんときくことができるようになるので、音が抜けなくなった。その上で、不協和音に注意。
  5. 2小節目の、sopranoのソステヌートの音は、遠くからくる感じで、小さくてもいいように思う。
  6. 左手で強弱を作る。また、フォルテで左手があちこちに飛ぶところなどは、立体感を出すことも意識する。右手の和音と呼応させるところは、呼応させる。
  7. 右手でピアニッシモの和音を弾く時、小指が強すぎる場合が多い。モワモワとさせたい時は、小指も伸ばして。ペダルは深く踏んで、しっかり踏み換えながらも、揺らいで、幻想的にする。左手のレガートをしっかり出す。
  8. ワルツ的な中間部は、アルトの3拍目や、メロディーの2拍目裏拍をゆったり、しっかりと弾くと優雅になる。テーマのアジタートとの対比だから、優雅に、天女が舞っているように。単音なのか2和音なのか、3和音なのか、意味の違いを考える。
  9. この曲は、和音が主体ということもあり、指より腕の重みで弾くことを意識してみた。はっきりした音にしたい時は、指先も動かして。強弱は、体をどれだけ使うかで、変化させる。小さい音は指で。だんだん大きくしたい場合は、手首(横へ)や、肘(横へ)や、肩(前へ)、背中(前へ)、体全体(前へ)を使うようにしてみた。
  10. メトロノームのように弾くとおかしくなってしまうが、テンポの揺れすぎも変。ポイントとなるところだけ少々ゆっくりにし、他はまっすぐ進むようにした。どこがポイントかを意識しておくことが大切。

ブラームスは再開してから初めて取り組むが、本当に凝った作りになっていることを実感。流石に晩年の名曲である。指が動くから弾ける訳ではないことを、ここでも思い知る。

様々なピアニストの演奏を聴くと、本当に色々で、まるで別の曲のようである。自分の弾きたいように弾けばいいようにも思われる。