ショパン・エチュード Op.10-4に、アラフィフのアマチュアが初めて挑戦 ①

30年ぶりにピアノを再開したアマチュアです。基本的な練習もしようと思い立ち、4ヶ月近くが経ちました。

ハノンの他、ショパン/エチュードの最初の部分だけを、繰り返し練習してきました。思いの他、様々な気づきがあるし、テクニックというか指の動きは少し良くなったような気がしています。エチュード24曲のうち、ほとんど全ての曲を、3日位のローテーションで、一通り練習しています。

が、ある事情によって、先週から、Op.10-4の練習にかなり特化しています。この曲は、今のこの世の中にあって、最も心情的にぴったりくるような気がします。不安、焦り、喘ぎ、苦しみ、逃げしたい気持ち、絶望など。もちろん、日常生活では朗らかに過ごすように努めてますけどね。

で、この曲、難しいです。ピアノを再開後すぐにトライした時は、譜読みの段階で挫折しました。私は、音符だけを覚えるのは比較的得意なので、譜読みで挫折するのは、そう多くありません。

今回は、この3ヶ月間、最初の1ページ目だけ練習していましたが、先日、ふと、その先の譜読みをしてみたら、なんと、あまり苦労しませんでした。この1〜2年で、譜読みがうまくなったように思います。なぜだろう?

理由はおそらく2つあって、一つは、この曲の調性は、嬰ハ短調嬰ト短調など、譜読みがしにくい調なのですが、そういう曲に慣れたということ。ショパンの曲を結構弾いていたから。ハノンの音階も少し役立ったかもしれませんが。

もう一つの理由は、音符を塊で捉えて、和音として譜読みができるようになったからです。一つ一つの音符を見て、その度に鍵盤を探していたら、埒があかない。簡単なアナリーゼができるようになったことが大きいです。

 

1週間くらいで、アナリーゼをしつつ、何冊かの楽譜や本を比較しながら、とりあえずの指遣いを考え、とてもゆっくりなら、少しは弾けるようにしました。

それから、もう一度、楽譜を見て、強弱やら構成を少し考え、楽譜に少し書き込んでみました。

 

ある程度は覚えていないと、止まってしまうので、暗譜という程ではないけれど、半分くらいの箇所は暗譜で弾けるくらいになったので、ちょっと早いが、録音してみました!いつもだと、もっと弾けるようになってから録音するのだけど、今回は、超絶、早いタイミングでの録音なので、おそるおそる。。で、聞いてみると、もう最低!!騒音でしかない。自分でも、うまく弾けないな、と思っていた訳だけど。

Op.10-8や「黒鍵」の時との違いは、鍵盤に指は行っている。だけど、ここまで汚いのは、どうして?

一つは、左右のバランス。それから、アクセント、強弱など。。鍵盤を叩きすぎて音が硬い、粒が揃ってない。

ひどすぎるので、3回ほど、録音してみた。気にしながら弾けば、かなり改善した気がする。

 

この曲って、指が動けばいいというものではなくって、表現のエチュードのような気がする。他の曲もそうだけど、この曲は、出てくるテクニックの種類が多いから、単一のテクニックの曲よりも、どう弾き分けるかという意味での課題も多い。

 

3回録音して変わったのは、もちろん、部分部分で、気をつけた面もあるけれど、一番大きいのは、「より、曲として弾くようになった」ということ。

指を動かそうと思ったり、転んでいる箇所を発見することも大事だが、気持ちを込めようとする方が、早道な場合もあるのだな。いつの間にか、改善している点が色々。

最初のうちは、和音はどの音もしっかり音を出さないと、とか、拍頭はアクセント、とか、テンポが揺れないように!、とか、頭で命令して、弾いていたと思う。でも、そうすると、音楽として不自然な面が出てしまってる。

もっとシンプルに、「こう弾きたい」というままに弾いて、録音して、それでも良さそうだったら、それで行けばいい。

 

この曲は、左右への急速は動きは少ないので、椅子は高くしなくても良さそう。姿勢も少し丸まる感じ。ここらを変えるだけで、弾きやすくなる。

 

テクニックとしては、「Op.10-12 革命」や「Op.10-8」「Op.10-2」「Op.25-4」「Op.25-2」などの練習が生きる気がする。

 

また、以前の私は、片手練習や部分練習、ゆっくり練習はするけれども、それ止まりだった。今回、試したのは、フレーズ毎で繋げて練習すること。1小節、2小節、4小節、8小節、とつなげて練習する。弾けないところだけの部分練習だけだと、フレーズ感がなくなってしまうようだ。「この4小節を弾くぞ」と思うと、自然と、その中でどう弾けばいいのかを考えるようになるので、フレーズ感がより出てくるんじゃにないかな、とこれからの自分に期待してる。

もう一つ、今回、改善を試みたのは、スラスラにしたり、暗譜したりする前に、音楽的なことを考えたこと。スラスラになってから、音楽的な表現をしようとしても、自分の下手な音楽が頭に焼き付いてしまって、修正が難しくなってしまうことに、最近ようやく気づいた。

また、以前は、年齢の高さを、練習量でカバーしようとしていたけれど、何度も弾くと、自分の下手な音楽が染み付いてしまうから、「高齢だけど、いやむしろ、高齢だからこそ、練習回数は最小限で、弾けるようにする」ことが大事だと思うようになった。

短期間の猛練習もだめ!弾いた回数も記録しようかな、と思うこの頃。