ショパン/エチュード 「黒鍵」 Op. 10-5, Ges-dur 子どもの時に弾いた曲

3ヶ月程前に練習を始めた「黒鍵のエチュード」。右手は、黒鍵しか使わない。明るく華やか。子供でも弾ける曲だと言われてしまいそうだが、弾いてて幸せになれるなら、いいじゃないの。深みがある曲だけが音楽じゃなくてもいいと思う。

 

さて、子供の時に弾いたはずなのに、最初の2ヶ月間は、鍵盤に指を運ぶことすらできなかった。ずっと片手練習をしていたにもかかわらず、である。音は覚えているのだが、どうしても、微妙に場所がずれてしまう。

子供の時に弾いていても、思い出すのに2ヶ月もかかるのはショックだったが、ある時、急に、弾けるようになった。昔使っていた神経を目覚めさせるのに、2ヶ月必要だったんだね。

苦しかった2ヶ月間。やったことは、

  1. コルトー先生の教えてくださる通り、黒鍵5本だけで音階など基本的なフレーズを弾いて、鍵盤の距離を体に染み込ませる。黒鍵は、幅が狭い。おまけに、5つの鍵盤の距離が全部違う。でも、黒鍵の二つの音のつながりは、1オクターブの範囲内なら、5✖️(4➕4)通りしかない訳だから、記憶できないこともないだろう。この微妙な距離の違いに、指先の神経をピリピリさせながら、練習に取り組んでいたら、白鍵を弾く場合にも、位置をより正確に記憶できるようになってきた気がする。
  2. 右手は、音が多くて、頭がパンクしてしまう。音符を和音にまとめて、和音で、場所を記憶する。
  3. 手のひらも、和音ごとに、移動させる。1音1音ごとに手が動いてしまわないように、手のひらは移動したら、ほぼそのままで、指を中心に弾く。
  4. 指も、伸ばし気味で、第3関節からほんの少しだけ動かす感じ。
  5. 手のひらの左右の動き(トレモロのような)は、ほとんどなし。手のひらの動きでは、この曲のスピードは出ないので、指で弾く。手の平は、横に
  6. 広げたり縮めたりをスムーズに行うことが大事。
  7. 指番号は、色々な案を試したが、最初はどれもしっくりこなかった。結局、子どもの時に使ったと思われる指番号に収まったようだ。決まるまでの2ヶ月間は苦しかったが、色々な指番号で練習すること自体が良い練習になるとコルトー先生が書いているので、頑張った。
  8. 左手も2ヶ月間は片手練習のみ。この曲は、片手練習が長くても比較的、対応しやすいように思う。
  9. 右手で変化をつけるのは大変なので、左手や、ペダルの使い方がとても大事。

ちなみに、2ヶ月かかって、見開き2ページのみをゆっくりと。

最初の1ヶ月は、片手ずつ、8小節だけだった。

ここのところ、曲の進みは加速しているので、あと1ヶ月くらいで、全部弾けるといいな、と思う。思い出してくると、暗譜も速い。和音の難しいところは、昔のように丸覚えはできないので、アナリーゼしながら、暗譜しているところ。