ショパンエチュード Op.25-3 A-moll 左手の跳躍

ワルツでよくある左手のズン・チャン・チャンに、いつも苦労していた。今回は、ズン・チャンを超高速でくりかえす、よりきついバージョン。

何が問題なのか?移動が遠いことである。なので、これまでは、どうやって速くうまく移動すればいいのかばかりを考えていた。けれども、色々調べると、問題はそこではなさそうだ。

移動が難しいのはなぜか?

移動のための時間が短いからである。

つまり、移動のための時間を長くすればいい。最初のズン、を短く弾くことである。実際は、ズンのところに拍があるから、ついつい、重さを乗せて弾いてしまう。すると、「手が下がる、もう一度持ち上げる、移動する」になってしまう。こんなことやっていたら、いくら時間があっても足りない。だから、なるべくなら、手は下げず、手は動かさず、指だけ素早く動かす(「指キック」)。手を左に傾ける弾き方もあるけど、傾けたら戻さないといけないから、指中心で弾く。ズンの瞬間には、手が次の和音のところにあるように。次の和音の鍵盤の上に手を置いて、その前に弾いたズンの響きの残響を聞いている感じ。

これだけで抜群に弾きやすくなったが、5の指は弱いから、5の指の音だけ、2回とか3回とか連続して素早く弾く練習もする。バスだけで続けて弾いけば、バスの移動も覚えられる。

あとは、反対に、チャンからズンに戻るところだが、これは単音への跳躍なので、和音への跳躍ほど難しくない。これは、軸の指からズンに戻るイメージで弾く。楽譜を見ると、最初のアウトタクトのところに、やり方をショパンが書いてくれている!遠そうな跳躍も、軸の指からの跳躍と考えると、実は大したことない。

そして、この和音については、スタカートとあまり意識しなくていいのかも。柔らかめの音色でいいと思うから。

跳躍が大きい場合、ズンに戻った時の手は、少しチョップの近い形になっている(けど、打鍵は、指の横でなく先で)。

そうそう、最初のズンの後、手を上に上げない。むしろ、高く上がった1の指を次の和音に振り下ろす感じ。楔形のスタカートだからと言って、手自体を上げなくても、鍵盤が勢いよく素早く上下して、はっきりした音が出るならいいんだろう。

最初の8小節だけ、1ヶ月以上弾いている。何も考えなくても楽に弾けるようになってきたら、少し先に進もう。手首は時計回りに少し回っているけど、回そうとしている訳ではなくて、これまでに書いたようなことをやった結果、たまたまそう動いている、という感じ。手首を無駄に回したら、時間ない。むしろ、前腕がクルクル回転している(バイバイするみたいな)。

 

なんか訳のわからない文章になってしまった。でも、私のように、体で覚えられないアラフィフにとっては、理屈と言葉による記憶が必須なのです。